2012年3月21日水曜日

寒冷地帯にすむ人種は肌が白く、熱帯地域にすむ人々は肌が黒いのはなぜなのでしょ...

寒冷地帯にすむ人種は肌が白く、熱帯地域にすむ人々は肌が黒いのはなぜなのでしょうか?



黄色人種は肌が黄色である理由も教えてもらうと助かります







日光に含まれる紫外線の量と密接な関係があります。



基礎知識として、肌の色となる色素はメラニンであり、その量は白<黄<黒という関係にあること、メラニンの役割は皮膚の中まで紫外線が浸透するのを防ぐすることをふまえておいてください。



人体は紫外線を浴びることでビタミンDを合成することができます。ビタミンDが不足すると「くる病」という骨の病気になります。食品から十分なビタミンDを摂取できる現代ではさほど大きな問題ではありませんが、栄養不足ぎりぎりのところで生きていた古代人にとって、高緯度地方で紫外線の量が少ないことはくる病の発生率を高めたと思われます。そこで皮膚の中まで紫外線が入っていく、メラニン量の少ない人達のほうが生存に有利であり、その人達の子孫が増えていった(つまり進化した)と考えられています。



一方、低緯度地方では強すぎる紫外線が問題になります。紫外線は葉酸(ビタミンB9とも呼ばれます)を壊します。葉酸の欠乏は貧血や免疫異常など様々な症状を引き起こしますし、特に妊娠中の女性の葉酸不足は、産まれる子供に無脳症や二分脊椎といった重大な奇形を引き起こす確率を高めます。そのために肌の色の濃い人間が生存に有利で最終的に生き残ったのだと考えられています。



なお、かつては紫外線が皮膚ガンを引き起こすのを防ぐため低緯度地方は肌の色が濃いのだと言われていました。しかし皮膚ガンにかかるのは普通歳をとってからで、子供を作る年齢ではあまりみられません。次の世代が生き残るために有利不利でなければ進化には結びつかないので、最近はこの説明には疑問符が投げかけられています。

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